Case Study

EV用ヒートポンプの冷媒圧と温度を横断監視

EV用ヒートポンプでは、冷媒圧力と温度を組み合わせて監視することで、冷房、暖房、除湿、バッテリー冷却など複数の運転モードにおけるシステム状態を把握しやすくなります。

Company

HVACユニットメーカーD社様

HVACユニットメーカーD社様は、車両メーカー向けに空調ユニット、冷媒回路、熱交換器、ヒートポンプシステムを開発・供給する自動車部品メーカーです。

採用製品

HVACユニットメーカーD社様

導入製品

  • PRS-410:高性能HVAC向け圧力センサー
  • TMP-410:熱交換器温度監視向け温度センサー

導入先概要

HVACユニットメーカーD社様は、車両メーカー向けに空調ユニット、冷媒回路、熱交換器、ヒートポンプシステムを開発・供給する自動車部品メーカーです。

近年、EVでは車室内空調だけでなく、バッテリー、モーター、インバーター、充電システムの熱管理と連携するため、HVACシステムの役割が拡大しています。特にEV用ヒートポンプでは、冷媒圧力と温度を複数点で監視し、システム全体の状態を把握することが重要です。

導入前の課題

D社様では、EV用ヒートポンプの開発において、冷媒圧と温度を横断的に監視したいという課題がありました。

特に以下の点が問題になっていました。

EV用ヒートポンプでは、外気温、車室内温度、バッテリー温度、充電状態、走行状態によって冷媒回路の状態が大きく変化します。そのため、圧力と温度を組み合わせた横断監視が求められていました。

  • 冷媒圧力と温度の関係を複数運転モードで確認したい
  • 暖房時、冷房時、除湿時、急速充電時で冷媒状態が変化する
  • 高圧側・低圧側の圧力変動を熱交換器温度と合わせて評価したい
  • EVバッテリー熱管理との連携時に冷媒状態を詳細に把握したい
  • 圧力データと温度データが別々に管理され、解析に時間がかかる
  • 熱交換器性能低下や冷媒不足の兆候を早期に検知したい
  • 量産前評価でヒートポンプ制御の妥当性を確認したい

選定のポイント

D社様では、冷媒圧力と熱交換器温度を組み合わせて監視するため、PRS-410TMP-410を採用しました。

選定時に重視されたポイントは以下です。

1. 高性能HVAC向けの冷媒圧力監視に対応できること

EV用ヒートポンプでは、冷媒圧力が運転モードによって大きく変化します。冷房、暖房、除湿、バッテリー冷却、急速充電後の熱管理など、複数条件で安定して圧力を取得できることが重視されました。

対象製品:

2. 熱交換器周辺の温度を安定して監視できること

ヒートポンプの性能評価では、熱交換器の入口・出口温度、冷媒温度、部品表面温度などの温度情報が重要です。

TMP-410は、熱交換器温度監視向けの温度センサーとして、EV用ヒートポンプの評価に活用されました。

対象製品:

3. 圧力と温度を同じ評価軸で確認できること

従来は、圧力ログと温度ログを別々に確認していたため、ヒートポンプの運転状態を評価するのに時間がかかっていました。

今回の構成では、冷媒圧と温度を同時に取得することで、以下の関係を確認しやすくなりました。

  • 高圧側圧力と熱交換器出口温度の関係
  • 低圧側圧力と蒸発器温度の関係
  • 外気温変化による冷媒状態の変化
  • 暖房運転時の圧力上昇と温度応答
  • 急速充電後のバッテリー冷却時の冷媒状態
  • 冷媒不足や詰まりの兆候

4. EV熱管理システムとの連携評価に使えること

EVでは、HVACが車室内空調だけでなく、バッテリーやパワーエレクトロニクスの熱管理と連携します。

D社様では、ヒートポンプ単体ではなく、車両全体の熱管理システムとして評価できるセンサー構成を求めていました。

採用構成

PRS-410:高性能HVAC向け圧力センサー

PRS-410は、高性能HVACやEV用ヒートポンプ向けの圧力センサーです。冷媒回路の圧力監視に使用でき、高圧側・低圧側の状態把握、異常検知、制御評価に適しています。

主な用途:

採用理由:

  • HVAC冷媒圧力監視
  • EV用ヒートポンプ圧力監視
  • 高圧側・低圧側圧力監視
  • 冷媒不足検知
  • 過圧検知
  • 熱交換器性能評価
  • ヒートポンプ制御評価
  • 高性能HVAC向けの圧力監視に適している
  • 高温環境や車載環境での使用を想定
  • CAN FD対応により診断情報を扱いやすい
  • EV熱管理システムとの連携評価に活用しやすい

TMP-410:熱交換器温度監視向け温度センサー

TMP-410は、熱交換器や冷媒回路周辺の温度監視を想定した温度センサーです。冷房・暖房・除湿・バッテリー冷却など、複数の運転モードで温度状態を把握する用途に適しています。

主な用途:

採用理由:

  • 熱交換器入口・出口温度監視
  • 冷媒温度監視
  • 蒸発器温度監視
  • 凝縮器温度監視
  • EVヒートポンプ評価
  • 熱交換効率評価
  • 熱交換器周辺の温度監視に適している
  • 冷媒圧力データと組み合わせた評価が可能
  • HVAC制御ロジックの検証に活用できる
  • EV熱管理評価に使いやすい

導入後の効果

D社様では、PRS-410TMP-410を組み合わせることで、EV用ヒートポンプの冷媒圧と温度を横断的に評価できるようになりました。

主な効果は以下です。

1. 運転モードごとの冷媒状態を把握しやすくなった

冷房、暖房、除湿、バッテリー冷却など、複数の運転モードで冷媒圧力と温度を同時に確認できるようになりました。

これにより、モード切替時の圧力応答や温度応答を比較しやすくなりました。

2. 熱交換器性能の評価がしやすくなった

TMP-410による熱交換器温度と、PRS-410による冷媒圧力を組み合わせることで、熱交換器の性能変化を把握しやすくなりました。

たとえば、以下のような評価に活用できます。

  • 入口・出口温度差
  • 圧力変動と温度応答
  • 外気温による性能変化
  • 低温時の暖房性能
  • 高温時の冷房性能
  • 熱交換器の詰まりや効率低下

3. 冷媒不足や詰まりの兆候を検知しやすくなった

圧力だけ、または温度だけを単独で見る場合に比べ、圧力と温度を組み合わせることで異常兆候を検知しやすくなりました。

検知しやすくなる例:

  • 冷媒不足
  • 冷媒回路の詰まり
  • 膨張弁の動作不良
  • コンプレッサ異常
  • 熱交換器性能低下
  • 冷却風量不足

4. EVバッテリー熱管理との連携評価に活用できた

EV用ヒートポンプは、車室内空調だけでなく、バッテリー冷却や加温にも関係します。急速充電後や高負荷走行後に、バッテリー温度と冷媒状態を合わせて評価することで、熱管理システム全体の制御妥当性を確認しやすくなりました。

5. 量産前の制御ロジック検証が効率化した

冷媒圧力と温度を横断的に確認できるようになったことで、ヒートポンプ制御ロジックの検証が効率化しました。

たとえば、以下の検証に活用できます。

  • 暖房立ち上がり時の圧力制御
  • 除湿モード時の冷媒状態
  • 外気温低下時のヒートポンプ性能
  • バッテリー冷却モードへの切り替え
  • 高温時の保護制御
  • 異常時のフェイルセーフ動作

導入イメージ

D社様では、PRS-410を冷媒回路の高圧側・低圧側の監視に使用し、TMP-410を熱交換器入口・出口や冷媒回路周辺に配置しました。

これにより、EV用ヒートポンプの状態を以下の2つの観点から把握できるようになりました。

圧力と温度を時系列で比較することで、ヒートポンプの運転状態、熱交換性能、異常兆候を確認しやすくなりました。

関連製品

PRS-410

高性能HVAC向け圧力センサーです。EV用ヒートポンプ、冷媒回路、高圧側・低圧側圧力監視、過圧検知、冷媒不足検知に適しています。

TMP-410

熱交換器温度監視向け温度センサーです。熱交換器入口・出口温度、冷媒温度、蒸発器・凝縮器周辺温度の監視に適しています。

関連技術資料

  • HVAC向け圧力・温度監視の基本
  • CAN FD対応センサーの選び方
  • 150℃対応センサーの搭載ポイント
  • EVバッテリー監視センサー選定ガイド
  • ADAS向けセンサーの構成例

まとめ

EV用ヒートポンプでは、冷媒圧力と温度を組み合わせて監視することで、冷房、暖房、除湿、バッテリー冷却など複数の運転モードにおけるシステム状態を把握しやすくなります。

D社様では、PRS-410TMP-410を組み合わせることで、EV用ヒートポンプの冷媒圧と温度を横断監視し、熱交換器性能、冷媒不足、詰まり、コンプレッサ異常、EV熱管理連携を評価しやすい構成を実現しました。

シンメトリックセンサーでは、HVACユニットメーカー向けに、圧力センサーと温度センサーを組み合わせたEV用ヒートポンプ監視構成をご提案します。