Case Study
ADASカメラECUの熱監視と車体挙動データを統合
ADASシステムでは、カメラやレーダーによる外界認識だけでなく、車両自身の状態を把握することが重要です。特にカメラECUでは、温度上昇や車体振動が認識安定性や評価結果に影響する場合があります。
導入製品
導入先概要
ADASシステムサプライヤーC社様は、車両メーカー向けに先進運転支援システムを開発・供給するシステムサプライヤーです。前方カメラ、周辺カメラ、ADAS ECU、認識アルゴリズム、車両制御インターフェースなどを組み合わせたシステム開発を行っています。
ADASでは、カメラによる外界認識だけでなく、車両姿勢、加減速、振動、温度、電源状態などの情報を組み合わせて、認識精度とシステム信頼性を高めることが重要です。
導入前の課題
C社様では、ADASカメラECUの熱監視と車体挙動データを統合したいという課題がありました。
特に以下の点が問題になっていました。
ADASカメラECUでは、画像認識処理やセンサーフュージョン処理により演算負荷が高まる場合があります。高温時の処理安定性や、走行振動がカメラ認識に与える影響を評価するため、温度と車体挙動を同時に取得できる構成が求められていました。
- カメラECUの発熱状態を走行条件と合わせて確認したい
- 夏季や高負荷演算時にECU温度が上昇する
- カメラ認識結果と車体挙動データの関係を評価したい
- 走行中の振動や姿勢変化が認識安定性に与える影響を確認したい
- 温度ログと加速度ログが別々に管理され、解析に時間がかかる
- 試験車両ごとのデータ比較を効率化したい
- 将来的に診断情報をADAS ECU側へ統合したい
選定のポイント
C社様では、カメラECUの温度監視と車体挙動データ取得を組み合わせるため、TMP-310とACC-310を採用しました。
選定時に重視されたポイントは以下です。
1. カメラECU周辺の温度を安定して監視できること
ADASカメラECUは、設置位置や演算負荷、外気温、直射日光、車室内温度の影響を受けます。
TMP-310は、カメラユニットやADAS ECU周辺の温度監視を想定したモデルとして、熱状態の把握に活用されました。
対象製品:
2. 車体挙動を3軸で取得できること
カメラ認識の安定性を評価するためには、車体の加減速、横揺れ、上下振動、段差通過時の衝撃などを把握する必要があります。
ACC-310は、ADAS向け3軸加速度センサーとして、車両挙動データの取得に適しています。
対象製品:
3. 温度と加速度を同じ評価軸で確認できること
従来は、ECU温度ログと加速度ログを別々に確認していたため、走行条件と熱状態の関係を把握するのに時間がかかっていました。
今回の構成では、温度と加速度データを同じ評価シナリオで取得することで、以下のような関係を確認しやすくなりました。
- 高速走行時のECU温度上昇
- 渋滞・低速走行時の熱だまり
- 段差通過時の振動と認識ログ
- 路面状態とカメラ認識安定性
- 高温時の認識処理負荷
4. 試験車両での評価に使いやすいこと
ADASシステム開発では、複数の試験車両、走行コース、天候条件、温度条件で評価を行います。
C社様では、センサー構成を標準化することで、試験車両ごとの温度・挙動データを比較しやすくすることを重視しました。
採用構成
ACC-310:ADAS向け3軸加速度センサー
ACC-310は、ADAS向けの3軸加速度センサーです。車線維持支援や車体挙動検知、カメラ・レーダー評価時の車両挙動ログ取得に適しています。
主な用途:
採用理由:
- 車体挙動データ取得
- 車線維持支援評価
- カメラ認識評価
- 路面状態推定
- 段差・振動イベント記録
- ADAS試験車両の走行ログ取得
- 3軸加速度データを取得できる
- ADAS評価用途に適している
- 車体振動と認識結果を突き合わせやすい
- 試験車両でのログ取得に使いやすい
TMP-310:カメラユニット向け温度センサー
TMP-310は、カメラユニットやADAS ECU周辺の温度監視に適した温度センサーです。車室内設置、フロントガラス周辺、カメラECU近傍など、ADAS関連モジュールの熱状態監視に使用できます。
主な用途:
採用理由:
- カメラECU温度監視
- カメラユニット温度監視
- ADAS演算ユニット温度監視
- 高温時の性能評価
- 熱保護制御の検証
- 試験車両の温度ログ取得
- カメラユニット周辺の温度監視に適している
- 高温環境でのADAS評価に活用できる
- 認識処理負荷と温度上昇の関係を確認しやすい
- 試験車両での設置性が高い
導入後の効果
C社様では、ACC-310とTMP-310を組み合わせることで、ADASカメラECUの熱状態と車体挙動を同時に評価できるようになりました。
主な効果は以下です。
1. カメラECUの温度上昇傾向を把握しやすくなった
TMP-310により、カメラECU周辺の温度を連続的に記録できるようになりました。夏季走行、渋滞、長時間稼働、高負荷演算時など、条件ごとの温度上昇傾向を比較しやすくなりました。
2. 車体挙動と認識ログを突き合わせやすくなった
ACC-310により、走行中の3軸加速度データを取得できるようになりました。段差通過、荒れた路面、急加減速、旋回などのイベントとカメラ認識ログを比較し、認識安定性への影響を確認しやすくなりました。
3. 高温時の認識安定性評価に活用できた
カメラECUの温度が上昇した状態で、認識処理や警告機能の安定性を評価できるようになりました。
たとえば、以下のような評価に活用できます。
- 高温時の車線認識安定性
- 直射日光下でのカメラECU温度変化
- 渋滞時の熱だまり
- 高温環境での処理負荷
- 温度上昇時の診断ログ
4. 試験車両ごとの比較が容易になった
温度と加速度の取得構成を標準化することで、複数の試験車両や走行条件を比較しやすくなりました。
これにより、車両ごとの設置条件、熱条件、振動条件の違いを把握しやすくなり、評価工数の削減につながりました。
5. 次世代ADAS ECU設計へのフィードバックが可能になった
取得した温度・加速度データは、次世代ADAS ECUやカメラユニット設計にも活用できます。
たとえば、以下の検討に役立ちます。
- ECU筐体の放熱設計
- カメラユニットの取付位置
- 防振構造
- 熱保護制御
- 診断ロジック
- 車両挙動を考慮した認識アルゴリズム評価
導入イメージ
C社様では、TMP-310をカメラECU近傍に設置し、演算負荷や外気条件による温度変化を監視しました。ACC-310は車体側に設置し、走行時の加速度、振動、姿勢変化を取得しました。
これにより、ADAS評価時のデータを以下の2つの観点から統合できるようになりました。
温度と加速度を同じ走行シナリオで比較することで、ADASカメラECUの性能評価と原因分析がしやすくなりました。
関連製品
ACC-310
ADAS向け3軸加速度センサーです。車線維持支援、車体挙動検知、走行評価、カメラ認識評価時の車両挙動ログ取得に適しています。
TMP-310
カメラユニット向け温度センサーです。ADASカメラECU、カメラモジュール、演算ユニット周辺の温度監視に適しています。
関連技術資料
- ADAS向けセンサーの構成例
- CAN FD対応センサーの選び方
- 150℃対応センサーの搭載ポイント
- EVバッテリー監視センサー選定ガイド
- HVAC向け圧力・温度監視の基本
まとめ
ADASシステムでは、カメラやレーダーによる外界認識だけでなく、車両自身の状態を把握することが重要です。特にカメラECUでは、温度上昇や車体振動が認識安定性や評価結果に影響する場合があります。
C社様では、TMP-310とACC-310を組み合わせることで、カメラECUの熱監視と車体挙動データを統合し、走行条件、温度条件、振動条件を同じ評価軸で確認できる構成を実現しました。
シンメトリックセンサーでは、ADASシステムサプライヤー向けに、加速度センサーと温度センサーを組み合わせた評価・量産向け監視構成をご提案します。